今日は私の真空管アンプ製作指針をお伝えします。
真空管~半導体(SiC含む)アンプを数多く製作し、また市販品や多くの方が製作したアンプを聴いて得た私の結論は、メインアンプの出力段は真空管がベストだと言うことです。
ただし比較的高能率なスピーカーを繋いでの結論です。
しかし、真空管アンプの回路はシングルやPPとも何十年も前から大きな
革新が無く成熟した分野で、真空管やトランスなど音質に影響する主要部品を交換して音の変化や好みの音を追及する事が主になっています。これはこれで非常に楽しい世界なのですが、ビンテージ品や人気部品などは、異常に高額なものがあります。
そこで私のアンプ製作指針は
1.出力段に真空管を用いた全段差動PPアンプとする。
全段差動PPアンプとした理由は
1)完全な平衡アンプでアースと信号ラインはインシュレートしている。
(差動アンプ以外は非平衡アンプで、信号はアースラインを通して平滑コンデンサーやカソ ードコンデンサー等の電解コンデンサーが信号ループに入り音質の劣化は避けられな い。)
また、アースラインからのノイズ新入が無く、LとRの信号が共通アースラインに流 れ無いでクロストーク特性が抜群に良い。
2)出力段PPの2本の真空管カソードには共通の定電流回路が繋がれていて2本のカソ ー ド電流の合計は常に一定である。
そのため、電源から供給する電流は信号の大小に関わらず一定なので、電源のトランジェント特性の影響が少ない。
3)非平衡PPアンプとは別次元の音で、シングルアンプの様な音の出方をし、同じ真 空管なら差動アンプの方が音が良い。
2.できるだけコストを掛けず、音質劣化の少ない良質で最適な部品を探す。
3.配線は合理的で最善の引き回しを、何度もシュミレーションしてから行う。
また、保守メンテ性を考慮する。
4.ハムやその他のノイズはボリュウムMAXでも聞こえない事。
5.デザインはシンプルで機能性を重視し、飽きのこない物を目指す。
シャーシはALチャンネルから加工し市販品には無い独自性と強度を確保する。
6.比較的低コストでハイエンドに負けない音を目指す。
今後は国産のトランスを吟味し新作に取り組む計画です。
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